翌週に出産を控えたアンジェリン。夫のビルとともにビーチに散歩へ出かけました。もうすぐこの大きなお腹とはサヨナラ。そこでアンジェリンのマタニティフォトを撮影しようというわけです。家に帰って撮影した写真を見るとそこには予期しなかったものが映っていました。のちにその写真は世間で大きな話題となるのですが・・・。
待望の赤ちゃんができたと判明した時、アンジェリンとビルの喜びは例えようがないものでした。何もかもが初めてのことで、戸惑いもありましたが全てが新鮮で何よりも新しい命が授かったことに興奮していました。そこで夫婦は出産するまでの記録を写真として残そうと決めたのです。そう、多くの夫婦がそうするであろうように・・・。
アメリカ・フロリダ州ジャクソンビルに引っ越したばかりだったアンジェリンとビル。ジャクソンビルは、自然豊かな海沿いの川の街で緑も多く、写真撮影にはぴったりの場所でした。そろそろ大きなお腹のアンジェリンの写真を撮るのも最後。二人はビーチで撮影をしようと考えます。
以前、アンジェリンの姉が撮ったマタニティフォトを見せてもらっていた二人は、その中でも海辺で撮った写真に憧れていました。それはとても美しく、いつかこんな写真を撮りたいと思っていたのです。二人の希望通り海辺での写真を撮ることができたのですが、それは予想していたものとは別の意味で違ったのです・・・。
美しい記念写真を撮るため、二人は天候、太陽・影の影響、潮の干満などを考慮し、朝早くから海へ出かけました。ここは人気のスポットでいつも人が多いため、他の人が映り込まないようにです。ただ人ではなく他のモノが映り込むことになるのですが・・・。
まず、アンジェリンとビルは写真撮影に良い場所を求めて、ビーチの端から歩いてみることにしました。ビーチには「カツオノエボシ」がいるので注意するよう看板が立っていましたが、二人はビーチで撮影るだけで、海には入らない予定だったので気にとめることはありませんでした。
二人が散歩していると、突然海の方から騒がしい声が聞こえてきます。どうやら浅瀬にいたカップルがパニックを起こしているようで、叫びながら裸足で砂浜のように駆け出しました。ビルとアンジェリンが声をかけてもそれどころではないようです。
さらに多くの人が集まってきて、海の方を見つめています。ビーチはパニック状態になりました。二人も皆が指差す方向を見てみると、どうやら海に大きな影が見えます。浅瀬に向かっている移動しているように見えたので、人々は慌てて海から離れだしました。
二人もこれ以上ここにいるのは危険と判断し、その場所を離れました。すでにそのエリアには多くの人が集まっていたので、ここでの撮影を断念し元の場所に戻ることにしたのです。最初にいたエリアに戻ってみると、人気も少なく静かだったので、ここで写真を撮影することに決めました。
構図を決め、ポーズを決め、何枚か写真を撮り始める二人。ちょうど潮も引いており、いい具合で海辺で写真を撮ることができました。アンジェリンも最高の笑顔を浮かべ、ビルも最高の写真が撮れたと確信します。アンジェリンはとても美しく、最高の景色でしたからね。さらに写真撮影を続け、そろそろ疲れたので家に戻ってカメラからの写真をパソコンに転送して二人で確認してみることにしました。そこで二人は素晴らしい写真を目にします。
満面の笑みを浮かべるアンジェリンの背後にはイルカがジャンプしていたのです!きっとあの時海の中に見えた影はイルカだったのでしょう。いくらビルが連写機能を使って撮影していたとはいえ、狙い澄ましたタイミングでイルカがジャンプしています。その写真を見てみてください!
写真を整理していたアンジェリンとビルはこの奇跡とも言える写真を皆で分かち合いたいと思い、地元ローカルメディアとSNSに投稿しました。そうすると個人のマタニティフォトだったはずのこの写真は瞬く間に世界に拡散され、1万件を超えるいいね!を獲得することになったのです。
コメント欄ではこのイルカは地元で有名な「ダスティ」に違いないと指摘されました。ダスティはここ数年アトランティックビーチ周辺で毎日のように目撃され地元民に親しまれていたイルカだったのです。ここジャクソンビルではイルカやマナティを見ることは珍しくないのですが、こんないいタイミングでジャンプしてくれるなんてそうそうありません。残念ながらその瞬間をモデルであったアンジェリンは見逃してしまっていたようですが・・・。
まるで赤ちゃんの誕生を祝福してくれているかのような写真が撮られてから数週間後、二人は無事男児を出産し、以前から予定した通りトーマスと名付けました。「みんなに言われたけど、この子の名前を”ドルフィン”にするつもりはないよ」とビルは笑います。予期せぬイルカのジャンプを写真に収めたことで、記念写真がさらにいい思い出になるものになりました。
ビルとアンジェリン、そしてトーマスの家族写真です。フォトショップなどでいくらでも写真に加工できる今、実際にあのタイミングで写真を撮れたのはまさに奇跡と言えるでしょう。リアルな瞬間を切り取った写真だからこそ、美しくまた特別なものになりました。